Our Message

私たち目指すもの

パーソルグループTOP対談【2020年】

Top Message

共感をもって迎え入れ、 仲間とともにはたらける社会へ。

パーソルグループでは、障害のある方をどのように受け入れ、
どのような組織づくりを目指していくのか―――
グループを代表し、取締役会長・水田正道と執行役員・美濃啓貴が
想いを語り合います。

水田 正道

パーソルホールディングス株式会社 取締役会長 / 一般社団法人 日本人材派遣協会 理事 / 一般社団法人 人材サービス産業協議会 理事長

1959年、東京都出身。1984年、青山学院大学経営学部卒業後、リクルートを経て、1988年、テンプスタッフ(現パーソルテンプスタッフ)に入社。
同社営業責任者、テンプスタッフテクノロジー(現パーソルテクノロジースタッフ)代表取締役社長、テンプホールディングス(現パーソルホールディングス)取締役副社長などを経て、2013年6月、テンプホールディングスおよびテンプスタッフ代表取締役社長就任。
2016年6月、代表取締役社長 CEOを経て、2021年4月より現職。一般社団法人日本人材派遣協会理事、一般社団法人人材サービス産業協議会理事長も務める。座右の銘は、「積小為大」。

美濃 啓貴

パーソルホールディングス株式会社 執行役員 CHRO

1976年、東京都出身。1999年、中央大学卒業後、インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。2013年より、同社 HITO本部 本部長就任。人事部門の組織改革から、育成、採用、制度の改革を実現し、理念経営を推し進める。
2017年、テンプホールディングス(現パーソルホールディングス)執行役員(人事担当)就任。2020年4月より現職。

ともにはたらく“実体験”を大切にしたい。

水田私たちが事業を問わず大切にしている考えは、グループビジョンの「はたらいて、笑おう。」という言葉に集約されます。

すべての“はたらく”が笑顔につながる社会をつくるためには、多様な人の仕事が認められ、他人から喜ばれていると実感できることが絶対条件です。

これは、障害がある人もない人も変わらず普遍的なもの。にもかかわらず、今の社会はまだ、障害のある方を弱者としてみなして区別する傾向が否めません。そこをどう変えていけるかが、私たちの挑戦です。

美濃いま私たちが進めているのは、「ともにはたらく」をコンセプトにした雇用です。障害をはたらく能力と結びつけて画一的に線引きするのではなく、一人ひとりの能力を認め、同じ環境に迎え入れることがその基本。

実際にグループ内の特例子会社をはじめ、障害のある社員が一般の社員と同じ部署ではたらくケースがたくさんありますが、何ら違和感も問題もなく活き活きとやっています。本社にはパーソルサンクス(特例子会社・当時)が運営するカフェもあり、社員たちにも好評です。

水田私も本社にいるときは必ず利用しています。車椅子を利用した社員と同じオフィスだったこともありますし、業務からは離れますが全盲の方の世界を体験するイベントに参加したこともあります。同じ物事を一緒に経験すると、頭で理解している以上にわかることがたくさんあるのだと改めて実感できます。

美濃体験をもって深く相手を理解できるからこそ、仲間として受け入れ合うことができる。「ともにはたらく」ことの意義は、まさにそこにあるのではないでしょうか。

水田実体験を伴う共感なくして、ダイバーシティーは絶対に実現しません。いま、世の中のデジタル化がますます進んでいますが、仕事において人と人が真摯に向き合う必要性は残り続けます。
そうした時、さまざまな経験を持つ障害のある方が、より多くの方々と視線を共有し、一緒にはたらいていくことには、なおさら意義があると思います。

新たな発想で、障害のある方に 多様なはたらく機会を。

美濃最初に出た「はたらいて、笑おう。」を実現するために、パーソルの人事で大切にしている5つのポイントがあります。まずは「ビジョン(はたらいて、笑おう。)への共感」。それから「自己効力感」「関係性」「健康」「自立性」です。

自己効力感とは、自分が仕事に貢献し、成長しているという実感が持てること。そして関係性とは、仕事仲間と良い人間関係を結んでいることです。心身ともに健康的であることは言うまでもありません。

そして最後の自立とは、「自分の仕事を自分で決められる」という意味です。福祉としての支援をするだけでなく、かといって自己責任として突き放すのでもなく、障害を理解したうえでさまざまな機会を提供し、「自分で選ぶ」ための選択肢を広げていく必要があると考えています。

水田障害があったとしても、ハンディを感じることなくどんどん挑戦できる組織にしていきたいですね。そうした際の物理的な制約条件をいかに解消していくかが、我々パーソルグループ全体としての課題です。

自ら手をあげ希望部署に挑戦するキャリアチャレンジ制度や研修を用意したり、在宅ワークに対応した就労継続支援事業を立ち上げたりと、新しい試みも始まっています。

美濃いま、当グループ全体ではたらいている障害のある方は約1,600名(※2020年6月時点)。国内ではすでに上位クラスですが、今後数年間でさらに2,900名まで増やそうという目標があります。おそらく日本で一番、障害のある方の雇用に力を入れていく企業だと言えるでしょう。

数としての目標達成も大切ですが、何より重要なのはその中身。特例子会社での採用だけにとどまらず、さまざまなグループ会社や一般部署においても障害のある方のはたらく機会を幅広く創出し、多様な力を受け入れていきたいです。

水田他社のなかには、障害のある方の雇用を社会貢献活動の一環と捉え、事業の利益とは切り離して考えている企業も多くあります。
これからはその発想を変え、もっとプロフィットに結び付けていく必要がある。ESG投資(※)の視点から見ても、障害を越えてはたらくことは企業の価値を高めるためにますます重要な要素となるはずです。

特例子会社の持つナレッジや、「ともにはたらく」を実行する中で得られた数々の実体験は、私たちパーソルグループの大きな財産です。
今後もそれらを活かしながら、先駆的取り組みを次々と行うリーディングカンパニーとして、ますます進化していきたいと思います。

※環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の3要素に配慮した投資のこと。

※TOP対談は2020年10月20日におこないました。