job coach

社員の悩みや課題に向き合う「田町のジョブコーチ」が、障害者雇用の日常やちょっと役立つノウハウを紹介する当コラム。今回は5回目にして今さらながらの、ジョブコーチによる自己紹介です!

障害者雇用のイメージは、今と当時で全然違う

現在パーソルグループの障害者雇用サイト「With」で連載中の当コラムですが、実は以前まで、パーソルチャレンジ(当時)が運営する「Challenge LAB」で連載していました。コラムを引っ越ししたまま、すっかり忘れていたのが自己紹介。今さらながらで恐縮ではありますが、パーソルダイバースのこれまでを「田町のジョブコーチ」の極めて個人的感覚で振り返りたいと思います。
過去Challenge LABサイトに載せた原稿を一部転載していますので、良ければご覧ください!)

さて、私「田町のジョブコーチ」がグループ内異動でパーソルダイバースに来たのは、2015年10月のこと。広告ディレクターからの華麗なる(?)転身でした。大学では映画を専攻し、障害者に関する領域はまったくの素人。ただ、祖母が盲学校の教師をしており、身内の何人かがメンタルの病気になったこともあり、「そもそも精神・発達障害って何だろう」という強い興味がありました。

グループ内異動をすることを周囲に伝えると、一様に「早期リタイアですか?」「もったいなくないですか?」という反応。仲の良い同僚たちでさえ、「なんだか心配だな」という表情をしていました。障害者雇用の現場への反応って、当時はまだそんな感じだったのです。

採用したけど、仕事がない! そんな始まりでした

私がグループ内異動をした2015年当時は、パーソルダイバース自体も西新宿から田町に引っ越したばかり。拠点は田町と仙台の2つだけで、仕事もあまりなく、グループ個社からの受託業務を一所懸命集めている状態でした。仕事をお願いしたいと言ってくれるグループ個社はありましたが、彼らも委託することに慣れていないため、「何をお願いしたらいいか分からない」といった感じ。当時の最大の懸念事項は「手すきの状態をいかになくすか」だったと記憶しています。

それでも、法定雇用率を守るためにはしっかりと採用していかないといけない。社員を迎えたはいいけれど、仕事はない。そんな状況ですから、「自分たちは何をすればいいんだろう」と戸惑う社員が何人かいたのを覚えています。

当時のメインのお仕事は、清掃業務、封入封かん業務(案内状などの発送業務)、名刺入力業務、原稿制作業務、アンケート入力業務など。それから徐々に、経理業務や個人データ入力業務などの業務が増え、個社への常駐業務もするようになりました。

好循環が回り始め、意識も評判も変化

仕事が増えて実績ができると、周囲からの見られ方が変わります。まず委託元であるグループ個社からの信頼度が、少しずつ上がっていきました。すると今度はその評判がグループ内で広がり、パーソルダイバースに興味を持つ人たちが増えていきました。以前私がいた部署からは「障害者領域で新しいビジネスができないか相談させてほしい」との相談があったり、「業務を通じて社会貢献したいから、グループの特例子会社に異動したい」という異動希望を聞いたりもしました。

最初は仕事がなく「どうせ……」とネガティブになっていた当事者社員たちも、「依頼先のお客様に貢献したい」「障害があってもしっかりはたらくことで社会貢献したい」「キャリアを積んで自分自身が障害者雇用の成功モデルになりたい」という意識を持つように。それが良い循環を生んだのか、お客様であるグループ企業からも「仕事を出したことで自分たちの営業時間が確保できてありがたい」「質の高い仕事をしてくれる」「ここまでできるとは思わなかった」というありがたい言葉を続々いただくようになりました。

仕事の依頼は急増。今では対応しきれずにお断りしているケースもあります。最初2拠点だったオフィスも、横浜、目白、大宮、池袋に2つ、大阪に2つ、さらに高知四万十オフィスを構えるまでに。もうすぐ秋葉原にも新しいオフィスを開設します(ハローワークの反応も上々!)。

努力と工夫を積み重ねたから今がある

振り返れば、本当にずいぶん変わりました。それも“いいかんじ”に。

みんなが一つひとつ丁寧に真面目に仕事をしたこと。
社員が力を発揮できるように特性に合わせた配慮をしたこと。
安定就労のために定着支援や、スキルをインプットする研修など専門部署をつくったこと。
現場の管理者が毎月確実の面談を行い、その様子をシステムに記録し、変化を見逃さないこと……。

たくさんの工夫と社員の努力の上に、今の安定とやりがいがドンと乗っかっているのだと思います。そんなパーソルダイバースの現場で得た、障害者雇用に関する手ごたえ。今後もしっかりお伝えしていきますので、引き続きよろしくお願いします!