障害のある方々のはたらく機会や仕組みを生み出し、パーソルグループにおける障害者雇用の拡大に貢献してきた特例子会社パーソルダイバース。

受託サービス統括本部 受託サービス第2本部は、パーソルテンプスタッフから委託した事務作業を中心に、現在は地域と連携した障害者雇用にも力を入れています。

グループ会社向けに、オフィス清掃や事務作業の代行、カフェ運営、マッサージサービスなど、様々な業務を提供し、効率的な業務環境の整備や健康増進などに貢献しているのが、東京・千葉事業部 サテライトオフィスサービスグループです。

同グループの新宿チームは、人材派遣業を行うパーソルテンプスタッフに常駐し、サービスデスクを3つの拠点で運営しています。どの常駐先も、障害のある社員が基本的な業務を担当し、その適性や能力を発揮しています。今回は、サービスデスクが築いてきた障害者雇用の取り組みや成長について、それぞれの視点でお話を聞きました。

竹重 浩二 チームリーダー
小島 弘江 サブリーダー
高嶋 美香 サブリーダー
藤田 水面  
関川 剛史


パーソルダイバース株式会社 
受託サービス統括本部 受託サービス第2本部
東京・千葉事業部 サテライトオフィスサービスグループ 新宿チーム

グループ会社のオフィスサポート業務を担う、サービスデスク

編集部 新宿チームがサービスデスクを開設した経緯や、現在に至るまでの成長や変化を教えてください。

竹重 私たちが所属する新宿チームは、約6年前にパーソルテンプスタッフの本社オフィスに「サービスデスク」を開設しました。

当初は、主に総務部門からの業務が中心でしたが、最近では、営業部門や人事部門など、さまざまな依頼元や業務の種類が増えました。現在では近隣のオフィスと合わせて計3か所でサービスデスクを運営しています。

サービスデスクは、常駐先の従業員の方と直接対話をしながら、障害のあるメンバーが必要なサービスを提供する場面も多いことが特徴です。そのため、基本的なビジネスマナーだけではなく、高いコミュニケーション能力、業務をしっかりとこなす力が求められ、スキルの高い社員が多く活躍しています。

編集部 それでは、新宿チームで活躍する藤田さんと関川さん、詳しい業務内容をお聞かせください。

藤田 主な業務として、オフィスに届く郵便物や宅急便、社内便などの受け取り、仕分け、社内各所への配達、外部への発送などを一括して管理しています。また、従業員の方から依頼に応じて各種書類の印章押印作業、備品や機器の管理、来訪者の方へのゲストカードの貸し出しなどをメンバーで分担し、担当しています。

関川 ほとんどが従業員の方とのコミュニケーションが発生する業務です。そのため、年々顔なじみの社員の方が増えていくことがとてもうれしいです。毎年新しい業務も増えているため、時には大変なこともありますが、「ありがとう、助かったよ」と、感謝の言葉を直接いただくたびに、やりがいを感じています。

チーム全体の効果的な運営を支えるメンバー

―藤田さんと関川さんの指導スタッフである、高嶋さんと小島さんにもお話を伺いました。

編集部 まずは、高嶋さんにお尋ねします。藤田さん、関川さんはチーム内でどういった存在ですか?

高嶋 2人はサービスデスクの運営を任せることができる即戦力です。私たちは、従業員の方や来訪する方からは、パーソルダイバースの社員ではなく、パーソルテンプスタッフのサービスデスクではたらく人として見られています。そういった緊張感のある環境で、藤田さんはチーム全体の状況を把握しながら、多くの業務を的確にこなしてくれます。そして関川さんは、相手の要望や問い合わせに対して、丁寧かつ柔軟に対応することができるため、質の高いサービスの提供に貢献しています。

編集部 それでは、お2人の入社当初から指導スタッフとして支える小島さんにお尋ねします。メンバーが力を発揮するために育成や指導する上でのポイントがあれば教えてください。

小島 メンバーが思い切って仕事に挑戦できるよう、私の役割は準備を整え、安心してチャレンジできる環境を提供することです。それが力を発揮し成長するための秘訣であり、私が担うべき責務だと考えています

以前、勤務していた会社の上司から「仕事にチャレンジして、それで失敗したときは、自分が責任を取るから、思い切ってチャレンジしなさい」と言われた経験があります。この上司の言葉が、今の自分の目標となりました。

仕事には、誰もが初めての経験があり、挑戦があると思います。成功すれば、「この調子でいいよ」と一緒に喜び、不安になることがあれば、「自信を持って大丈夫」と声をかけています。
失敗したときは、それも経験となり、対策を一緒に考えて次につなげればよし。と考えています。

広い視野で物事を捉え、人に寄り添うことができる存在になりたい

ー最後に、藤田さんと関川さんに、これから挑戦したいことを尋ねました。

編集部 まずは藤田さんから、これから挑戦したいことを教えてください。

藤田 私は聴覚障害者のため、コミュニケーションの面で困難を感じることもありますが、周りの方にフォローしていただきながらできる限りのことは全力で取り組みたいと考えています。

私は、障害がある人が「企業でどのようにはたらき、活躍しているのか」を知りたいと思い、特例子会社であるパーソルダイバースに入社しました。様々な現場を見て、同じ障害のある人同士で集まって、工夫をシェアし合ったり、積極的に社員の方と交流したいです。そして、広い視野で物事を捉えることができる人になりたいと思っています。

編集部 それでは関川さん、これから挑戦したいことを教えてください。

関川 今、とても充実しています。「はたらくことが好きだったんだ」と実感しています。
まずは、様々なことにチャレンジをして社会人としての経験を積んでいきたいです。

私は20代半ばでうつ病の診断を受け、その後しばらく療養していました。学生時代にアルバイトの経験はありますが、就職は当社が初めてです。そのため、仕事に対して評価をしていただけていることを、心から嬉しく思います。

以前の私は、仕事ができたとしても、なかなか自分でうまくいったことを受け入れることができませんでした。しかし、小島さんや周りの方から「自信を持って大丈夫だよ」と声を掛けていただき、徐々に自分に自信が持てるようになりました。私も人に寄り添うことができる存在になりたいです。

サテライトオフィスサービスグループは、今回取材した新宿エリア以外に、池袋や南青山でもサービスデスクを運営しています。

竹重さんは最後に「お互いのサービスデスクのバックアップができる体制作りや、ノウハウのシェアをしながら、社員がはたらきやすい環境を作り、今後も業務を拡大していきたい」と力強く語っていました。