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ともにはたらく環境づくり

パーソルネクステージでの仕事づくり【前半】

Interview

パーソルネクステージ株式会社

テレワーク×就労継続支援A型で、
もっと「はたらく」を楽しめる社会へ。【前半】

※通所と在宅を組み合わせたはたらき方

障害のある方がテレワーク(通所と在宅の組み合わせ)ではたらきながら、実務経験を積んで一般企業への就労を目指せる、パーソルグループの新しい事業モデルです。数か月の準備期間を経て、2021年2月に営業開始。立ち上げの苦労や現在のオフィスの様子、今後に向けた課題や計画など、社長の吉岡が2回にわたってお話します。

吉岡 直登
Profile

吉岡 直登

パーソルネクステージ 
代表取締役社長

ユニ・チャームに新卒入社し、営業、マーケティング、新商品開発に従事。2006年よりリクルートにて介護ビジネスを立ち上げる。その後、SUUMOブランド開発・立ち上げとブランドマネジメントを行うほか、進学事業統括、事業運営に従事。
2014年よりマクロミルにて出向先で経営戦略および経営管理部門責任者としてターンアラウンド実施。2017年パーソルキャリア入社 キャリアアドバイザー部門のゼネラルマネジャーを経てエグゼクティブマネジャーへ。2020年9月パーソルネクステージ代表取締役社長に就任。

在宅も可能なA型事業所を福岡に立ち上げた理由。

「パーソルネクステージ」は、地方で暮らしている障害のある方を採用し、首都圏の一般企業から受託した業務を通所や在宅で行っていただく事業です。なぜ就労継続支援A型を選択したのかとよく聞かれるのですが、それは「就労を支援する(紹介する)だけでは地方の障害者雇用課題は解決できない」と考えているからです。
障害のある方が一般企業に就職する際によく直面する問題は、「実務経験がない」ということ。ここではパーソルグループのネットワークを強みに、地方でありながら首都圏からさまざまな仕事を受託し、クルー(パーソルネクステージでは利用者の方をこう呼んでいます)はその仕事に従事しながら実務経験を積むことができます。給与を得ることでより自己肯定感も高まり、一般企業で活躍する自信につながるでしょう。

最初の拠点を福岡に開設したのは、地方の中でも障害者人口や福祉施設が多いものの、都心に比べれば就職率がまだまだ低かったからです。また、市がテレワークを推進していたのも大きな理由です。この数年で在宅ワークが一般に広がりましたが、障害のある方のはたらき方としてはまだ普及していません。
体調や通院などで出社が難しい方ほどテレワークが必要ですから、パーソルネクステージでは通所だけでなく在宅ワークも取り入れることにしました。
誰だって、いつか障害者になる可能性を持っています。パーソルネクステージを立ち上げた根底には、障害の有無にかかわらず、次の時代(ネクストステージ)の新しいはたらき方をつくっていきたいという想いがあり、社名にも反映させています。

前例がない分、苦労も多発。それが功を奏したことも。

こうした事業モデルはパーソルグループ内に前例がないので、立ち上げには苦労することもありました。特に行政への認可申請が大変で、経験がないながらも行政書士の方と試行錯誤し、なんとか申請書を提出しました。
予想外に難航したのは物件選びです。就労継続支援の事業所は法律で条件が定められているので、それをクリアすることが大前提ですし、交通の便などにも適した物件でなくてはなりません。せっかく良い物件が見つかったのに、大家さんの理解が得られず遠回しに拒否されたことも。
ただ、最終的に獲得できた物件は高速バスのバス停が近く、遠方からも通えるようになったのは良かったですね。実際に現在、久留米や北九州のからもクルーの方が通われています。

クルーの募集も試行錯誤で、受託する業務が多岐にわたるため、どういったスキルの方を採用すれば安定的な就労ができるかの見極めが難しかったです。通常はハローワークを通じて募集することが多いのですが、ハローワークは認可が下りないと利用できません。でも、その認可を申請する時点で、20名の利用者リストが必要なんです(笑)。
それでやむを得ず、最初は一般の求人媒体を利用しました。結果的にはそれが功を奏しましたね。その求人を見ているということは、一般企業ではたらきたいという意欲を持っているということなので、こちらの求める人材要件にマッチした方が見つかりやすかったのです。

開所後は予想以上の大反響!

こうした準備期間を経て、2021年2月、4名のスタッフと9名のクルーとともに福岡事業所が無事オープンしました。8月には、クルーの数が21名になっています。
パーソルネクステージでは、最初の1週間は人事研修や業務のレクチャーを行い、それから実務に入ります。初日はやはりみんな緊張でドキドキしていましたが、一人も遅れることなく出社され、研修も滞りなく進み、スタッフもひと安心しました。コロナ禍の影響もあってか、在宅ワークを取り入れていることが注目され、メディアにも取り上げていただきました。反響は良かったです。おかげで利用希望者が多く、現在も応募が絶えない状態が続いています。

事業所は内装にもこだわっていて、在宅ワークがあってもやはり通所はなくせませんから、「通いたくなるオフィス」をテーマに設計しました。都心のシェアオフィスのような雰囲気で、面接に来た人は少し驚かれますね。もちろん見た目以上に機能面も考慮していて、開放的で落ち着いた雰囲気は保ちつつ、音に過敏な方のために半個室のスペースも設けています。クルーの皆さんからも集中しやすいと好評です。
こうした環境で、いよいよ実務もスタート。次回は通所と在宅の組み合わせ方や、最近始まった評価制度などをお話したいと思います。

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