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ともにはたらく環境づくり

パーソルネクステージでの仕事づくり【後半】

Interview

パーソルネクステージ株式会社

テレワーク×就労継続支援A型で、
もっと「はたらく」を楽しめる社会へ。【後半】

※通所と在宅を組み合わせたはたらき方

障害のある方がテレワーク(通所と在宅の組み合わせ)ではたらきながら、実務経験を積んで一般企業への就労も目指せる、パーソルグループの就労継続支援A型事業所「パーソルネクステージ」。第1号となる福岡オフィスでは、2021年2月から本格的に実務がスタートしています。立ち上げまでの経緯をご紹介した前半に引き続き、後半では現在の就労状況や今後の抱負について、社長の吉岡がお話します。

吉岡 直登
Profile

吉岡 直登

パーソルネクステージ 
代表取締役社長

ユニ・チャームに新卒入社し、営業、マーケティング、新商品開発に従事。2006年よりリクルートにて介護ビジネスを立ち上げる。その後、SUUMOブランド開発・立ち上げとブランドマネジメントを行うほか、進学事業統括、事業運営に従事。
2014年よりマクロミルにて出向先で経営戦略および経営管理部門責任者としてターンアラウンド実施。2017年パーソルキャリア入社 キャリアアドバイザー部門のゼネラルマネジャーを経てエグゼクティブマネジャーへ。2020年9月パーソルネクステージ代表取締役社長に就任。

6割以上が在宅を導入。緊急事態宣言下では完全在宅も。

福岡オフィスでの実務が始まって、良い意味で想定外だったのは、クルー(パーソルネクステージの利用者)の皆さんの出勤率が想定以上に高かったことです。一般的な企業の出勤率とほぼ変わりません。現在は、在宅ではたらいている方が3割、通所と在宅をミックスしている方が3割強。6割以上のクルーが在宅ワークを取り入れ、オフィスには常時12,13名のクルーが通所しています。
A型事業所での在宅就労可否判断は行政の最終認可が必要なので、在宅にするかどうかはその条件を考慮しながら、クルーとの事前面談を行います。最初から在宅にすると生産性が下がってしまう可能性もあるので、まずは通所比率をメインにし、徐々に在宅就労比率を増やしていくなど個別に調整しています。

福岡オフィスには現在5名のスタッフがいますが、本部機能は東京に置いています。(通常のA型事業所はバックオフィス業務もスタッフが行っています。)そのおかげで福岡のスタッフはクルーのサポートに集中することができ、運営の面でもスムーズに進んでいます。5月には福岡でも新型コロナウィルスの緊急事態宣言が発出されましたが、その期間はクルーもスタッフも完全在宅で業務を行い、スタッフはオンラインで支援にあたりました。受託業務を滞らせることなく1か月間対応でき、オフィス運営への大きな自信になりました。「在宅×通所」というパーソルネクステージの特色を強化できたと感じています。

4月からはクルーの評価制度もスタート。

現在福岡オフィスで行っている仕事は、顧客企業の営業リストやデータ入力といった一般事務が比較的多いですが、WEB制作やプログラミング業務も増えてきており、なかには翻訳業務などもあります。
業務の割り振りは、毎月のマッチング会議で決定します。クルー本人がやりたいこと・できることを理解したうえで、新しい仕事を受託するごとに担当を調整しています。翻訳など一部の仕事は対応できるクルーが限られますが、それ以外の業務は他の人がカバーできる体制をつくっているので、今のところ大きなクレームもなく上手く回っています。

4月からはクルーの評価制度も取り入れ始めました。支援スタッフによる評価を定量化し、次のグレードに進むには何点必要かを可視化します。自己評価との間に思ったより点数差があって落ち込んでしまうクルーもいますが、こうした評価を通じて自己認知を促し、一般就労に向けて段階的にスキルアップしていくことが必要だと考えています。
今はたらいているクルーの皆さんを見ていると、すでに何割かの方は一般就労できそうなレベルにあります。今後、パーソルネクステージを卒業し、一般企業に就職される方も出てくるでしょう。今は最長で5年の利用期間を想定していますが、そうした事例をベースにしながら、退所までのモデルケースや期限なども調整していきたいと思っています。

福岡の実績をベースにエリアや業務の幅を広げていきます。

パーソルネクステージが立ち上がってまだ1年弱ではありますが、福岡に次いで鹿児島と大分にもオフィスを開設することが決まり、まずは九州を中心に拠点を広げていく計画です。障害者人口やA型事業所数、地理的条件など、さまざまな軸から拠点候補となる場所を検討しているところです。
今後はより多くのクライアントから業務を受託していきたいです。最近では委託側からも高評価をいただけるようになってきました。

拠点が広がり、業務内容や受託量も拡大できたら、オフィス間で業務をシェアするなどさまざまなはたらき方を試していきたいです。立ち上げも運営も、試行錯誤しながらなんとか回してみた、というのが現時点です。福岡での経験や実績をベースに、引き続き、新しい就労継続支援A型の成功モデルを創っていきたいと思います。

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