ともにはたらく環境づくり
パーソルチャレンジ株式会社
パーソルグループの特例子会社であるパーソルチャレンジでは、グループ各社や外部企業から業務を受託する事務アウトソーシング事業を展開し、多くの障害のある社員が活躍しています。仕事づくりや採用の取り組みについてご紹介した前半に続き、後半では入社後のサポート体制や評価制度についてご紹介します。
佛坂 美菜子
パーソルチャレンジ株式会社
コーポレート本部 人事総務部
ゼネラルマネジャー
前半でも少しお話した通り、障害のある方を採用してから安定してはたらきつづけていただける環境が整うまで、半年から10ヶ月ほどの時間を要します。その間はまず勤怠を安定させることにフォーカスし、定着の兆しが見えてから、業務内容への課題をクリアしていきます。今回はそうした採用後の対応について、サポートやマネジメント、評価制度などの取り組みをお話します。
目次
パーソルチャレンジでは、入社後の約3週間を研修期間と定め、研修終了後所属部門へ配属しています。入社直後は業務を覚えること以上に、通勤や職場環境に慣れ、長期的に活躍するための準備が大切だと考えているからです。また、障害者雇用の有無を問わず、人間関係は定着や活躍への重要な要素となるため、環境・同僚との相性を見ながら体制を整えていくようにしています。
入社後はさまざまな不安が生じます。周囲の期待に敏感でプレッシャーなどを感じやすい方の場合は、業務に慣れる前に離職してしまうケースもあり得るかと思います。また、当社は拡大期にありますので、変化による心配や不安が生じやすいタイミングです。大切なのは、そうした日常発生する不安を取り除くこと。当社は、障害区分や有無問わず、月1回は上司との面談の機会を設け、日々の不安解消や職務における課題解決のための相談をしています。
当社は、障害の有無を問わず、半年単位で目標を設定し、評価を行っています。マネジャーが管轄する組織は大体60-100名程度、そのうち90%が障害のある社員です。きめ細やかな配慮や支援が必要な一方で、マネジャーの人員は限られていますので、メンバーとマネジャー間にシニアチームリーダー、チームリーダー、サブリーダーと役職の階層を設け、各階層で役割を分担しています。例えば、業務に関する日常支援はサブリーダーが担い、目標管理や評価はチームリーダー以上の役職者が担うなどです。
はたらいている社員の障害や制約はさまざまなため、一律の基準で評価や報酬を決定することは難しいです。当社は社員のグレードに応じ、目標を設定していますが、一人ひとりの目標は各階層の上長が設定し、半期の達成度合を踏まえ評価を決定しています。目標管理のプロセスは、一般的な企業と特に差はないかと思います。一方で、個別性を加味する要素やバリュエーションが多いのが特徴です。
一定以上の基準を満たす社員は役職に就いていただきますが、当社や、パーソルグループが実施する研修などもあり、マネジメント上必要な知識やノウハウを習得する機会があります。また、障害の有無を問わず、さまざまな方がマネジメント面でも活躍されています!
パーソルチャレンジは複数の会社が統合してできた会社です。また人事制度の改定も含め、日々発生する課題や問題点を一つひとつクリアしながら、今回お話したような体制や制度が出来上がっていきました。現在は、全社的にも「長期的に活躍できる方を採用しよう、安定的にはたらける環境を整えよう」という意識が高まってきていると思います。
結果として、私が入社した2013年当時は20%ほどだった離職率が、2019年度で約7%、2020年度で約5%にまで改善されました。拡大期にある当社はまだまだ変化も多く発生すると思います。今後も安定的にはたらける仕組みや制度を整えながら、より多くの方とともにはたらき、みなさんが活躍できる組織をつくっていければと思います。