
パーソルグループで人材派遣、紹介予定派遣、アウトソーシングなどの人材サービスを提供するパーソルテンプスタッフ株式会社は今年度、初めてパラアスリート社員を3名採用しました。「障害者雇用の推進に力を発揮してほしい」と障害者社員に期待する企業。「支援に対して結果を出してパーソルの名前をより広げたい」と思う当事者社員。お互いの思いを伝えます。今回は前編として、パラ卓球で活躍する小杉昌也さんと、ゴールボールで日本選手権1位の実績を持つ木村由さんに、競技にかける想いや入社した理由、将来の夢などを伺いました。
パラスポーツとは障害がある人が行うスポーツの総称

パラアスリート、という言葉の前に、パラスポーツという言葉を説明します。パラスポーツは、身体障害、知的障害、精神障害など障害がある人が行うスポーツ全般を指します。そしてパラアスリートとは、「デジタル大辞典」によると、パラスポーツをする選手のことで、特に国内外の大会に出場・活躍する選手を意味するそうです。
そして、2025年春に入社した3名は、パラスポーツの国内外の大会で活躍する、現役トップレベルの選手たちです。その3名のインタビューを2回に分けてお伝えします。
1回目は、パラ卓球で活躍する小杉昌也さんと、ゴールボールで日本選手権1位になるなど、小杉さんと同様に活躍を続ける木村由さんです。
※入社した3人のプロフィール・実績はこちら
ニュースリリース 2025年度 | 派遣・人材派遣会社テンプスタッフ
【パラ卓球とは】
基本的に一般的な卓球競技とルールは変わりません。異なる部分として、車椅子の部と立位の部があり10のカテゴリーに属した選手がいます。パラリンピックに出るためには国内大会で好成績を収め、さらに国際大会で成績を収め世界ランキングを上げる必要があります。
【ゴールボールとは】
アイシェード(目隠し)を着用し、1チーム3人で鈴の入ったボールを相手ゴールに投げ入れて得点を狙います。守備側は、ボールの音や相手の足音を聞き分け、身体を投げ出してゴールを守ります。選手が音に集中できるよう、観客も静かに観戦することが求められるため、「静寂の中の格闘技」とも呼ばれます。
パラリンピック・ロサンゼルス大会出場することで、パーソルと競技の知名度をさらに上げたい

編集部:まず、小杉さんの経歴や入社経緯などを教えてください。
小杉さん:これまでは一般企業に一般枠としてはたらいていました。直近は複合機の営業をしていました。ただ、なかなか仕事と競技の両立が難しく、試合や遠征には有給休暇を使うなどして行っていました。アスリート仲間から、当社のことを聞き、競技に集中できる環境だと分かり入社を決めました。
編集部:一般枠ではたらかれていたんですね。どのような障害があるのでしょうか。
小杉さん:私は身体障害があります。先天性の水頭症という脳に水がたまる病気で、3歳のときに手術をしました。手術の後遺症で右半身に麻痺があり、細かい作業が苦手です。でも、一人暮らしはできていますし、通勤や練習場への移動なども普通にできます。日常生活に不便はありません。
編集部:普段のお仕事はどのような内容なのでしょうか。
小杉さん:これは3人とも同じなのですが、障害者がよりはたらきやすい風土や環境づくりを推進することが私たちのミッションです。障害への理解を深め、インクルーシブな風土を醸成していくことを私たちの競技活動や発信を通じて実現していきたいと考えています。
その第一歩として、まずは大会に出て結果を出すことが今現在の仕事です。週に1回程度は出社しますが、それ以外は1日6~7時間はみっちり練習をすることと、国内外の大会に出て、しっかり結果を出すことが仕事です。
もう少し今の環境に慣れたら、それぞれの競技のPRなどを3人でやってみたいね、などと話しています。いまは、ロスのパラリンピック出場が目標であり、出場することで、会社の支援に応えることができると思っていますし、パーソルの名前をもっと社会に浸透させたり、もちろん競技の知名度も上げていきたいです。
世界のトップになるためには、朝から晩までやるくらいの練習が必要

編集部:では木村さんにも同じように入社経緯や、経歴についてお聞きします。
木村さん:私は新卒で当社に入社しました。盲学校時代から競技を始めていて、コーチの紹介で入社しました。私も競技に集中できることが理由で当社を選びました。私の障害は弱視です。右目の視力が0.08、左目が0.06です。生後19日のときにかかった髄膜炎や脳梗塞が原因です。
編集部:木村さんも練習や大会出場が主な仕事になるわけですが、日常的に行う練習はどのようなものなのでしょうか。
木村さん:まず週3回、2時間ウエイトトレーニングをしています。それ以外に現在所属しているチームと強化指定選手たちが集まって行う練習に参加しています。クラブチームも強化チームもそれぞれ週2回の練習があります。練習はだいたい3~4時間です。休日練習もありますし、月に1回9日間の強化合宿もあります。そういった定期的な練習以外にも自主トレーニングをしているので、本当に朝から晩までやっている感覚です。それくらいしないと、世界のトップにはなれません。学生ではなく、いまはお給料をもらっている社会人です。いただいているお金や配慮の分、誠意をもってしっかり練習して結果を出したいと思っています。とてもありがたい環境を提供していたいだいたおかげで、入社2か月ほどで、ベンチプレスが30キロから40キロになりました。そのぶん、プレーの質が上がったと実感しています。
障害がある社員がよりはたらきやすい風土や環境づくりを推進することを期待

編集部:では、お二人に質問です。パーソルテンプスタッフに入社して良かったことを教えてください。
小杉さん:先ほども言ったように、競技に専念できる環境と配慮をいただいているのは大きいです。加えて、とても理解と応援をいただいていることでしょうか。もう少し出社したほうがいいかな、と思うときもありますが、「しっかり練習して大丈夫ですよ」と言ってくれます。日頃の練習にもより力が入るようになりました。会社のために結果をしっかり出したいです。
木村さん:みなさんで競技会場に足を運んでくれて、応援していただいています。とっても大きな力になるので本当に嬉しいです。「とても面白い競技ですね」と興味を持ってくれるし「自分たちも頑張らないとな、と力を貰えます」と言ってもらえます。また、こちらも魅力をしっかり伝えることができるし、競技の裾野が広がっていくのでは、という明るい未来も感じます。
3人のパラアスリートを担当する、鈴木礼子マネジャーは「障害者雇用推進のアンバサダーとしての役割を担ってもらいたいと思っています。従業員が互いの違いを尊重し、誰もが平等に活躍できるインクルーシブな会社を目指し、障害者がよりはたらきやすい風土や環境づくりを推進すること、そして、パラアスリートの方々が競技活動を引退した後のキャリアを、一緒に構築していきたいです。2025年度よりパラアスリートの採用を行い、今回ご縁があって、3名の方々にご入社をいただきました。パラアスリート社員の皆さんの活躍が、当社ではたらく社員にとっての活力となることを期待しています」と話しています。
障害がある社員、ない社員がともにお互いの仕事のやりがいを生み出すために、協力する姿が垣間見えました。次回は、もう一人のインタビューと、今後の大会予定などをお伝えしていきます。