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ともにはたらく環境づくり

パーソルチャレンジ_エンプロイメント・イノベーション本部 マネジャー

Interview

パーソルチャレンジ株式会社

障害者雇用で入社し、マネジャーへ。
信頼関係の中で自分らしくキャリアアップ!

パーソルグループの特例子会社であるパーソルチャレンジでは、従業員数1,440名中、6割以上の893名が障害のある社員です(2022年10月時点)。今年10月、同社エンプロイメント・イノベーション本部において、障害者手帳を持った初のマネジャーが誕生しました。今回はご本人に、障害のある社員としてのこれまでや体調管理、キャリアアップのアドバイスなどをお聞きします。

パーソルチャレンジ株式会社
エンプロイメント・イノベーション本部 Career受託事業部
メディア制作第1グループ 
マネジャー D.N

やりがいはあったけれど過労が原因でうつ病発症

Nさんは新卒で飲食チェーン大手に就職しましたが、うつ病を発症して退職。4カ月の離職期間を経て、2014年12月に契約社員として当社に入社しました。その後、サブリーダー、リーダー、アシスタントマネジャーと順調にキャリアアップを重ね、ついにマネジャーに。今に至るまで、どんな苦労があったのでしょうか。

編集部 発症はいつごろ、何が原因だったのですか?

N 発症したのは入社5年目の2005年。当時は店舗で店長をしていました。原因は過労ですね。勤務中は休憩が取れず、食事は朝に店舗メニューの試食をするだけ。終電で帰宅できた日は「今日は良いことがあった」と思えるほど感覚が麻痺していました。休日は半年間でたった2日。休日出勤を含めると、月間の残業時間は200時間にまで達していました。
ただ、頑張れば頑張るほど実績が生まれるので、仕事自体にはやりがいも感じていました。

編集部 どのようにして症状を自覚し始めたのでしょう?

N いつからか、どれだけ疲れていても眠れない日が続くようになりました。仕事は好きなはずなのに、朝、仕事のことを考えると気持ちが落ち込み、歯を食いしばるように何とか家から出ていました。そんな状態で3カ月くらいは我慢したんです。でもある日「このまま消えてしまいたい」という気持ちが生まれて、このままではまずいと思い何とか捻出した時間で精神科を受診。すぐにうつ病の診断を受けました。3か月間休職して復職しましたが、職場の環境が変わることはなく、その後も休復職を3回経験しました。

編集部 復帰しても同じ状況だから、症状を繰り返してしまうのですね……

N それでも何とか仕事を頑張り、最終的には念願だったR&D部門へ異動しました。元々その会社には「海外で仕事をしたい」という夢をもって入ったので、海外法人とのやり取りや海外トレンドの調査など、グローバルな職場ではたらく夢を叶えることができたんです。でも、うつ病が寛解することはなく、常に病気との戦いでした。結局、同じ会社ではたらき続けることが難しくなるほど体調が悪くなり、離職しました。

病気と向き合いはたらくために障害者手帳を取得

編集部 それで会社を辞め、新たな職場を探し始めたのですね。当社を選んだ理由は何でしたか?

N 病気としっかり向き合いながらはたらくのであれば、きちんとした配慮を受ける必要があると考えて、障害者手帳を取得して障害者雇用で仕事を探しました。パーソルチャレンジを選んだ理由は、「障害者雇用という言葉がなくなるくらい、当たり前になるように」という会社の考えが心に響いたからです。障害があっても能力を伸ばし、活躍できる社会を目指す企業姿勢に魅力を感じました。

編集部 入社後はすぐ仕事になじめましたか?

N アルバイト向けの求人原稿を作る業務からスタートしたのですが、マネジメント経験はあってもエクセルなどのPC経験はほとんどなし。手探りで仕事を覚えていきました。「電話ならば自分にもできる」と、企業様に原稿確認の電話をかけ続けていたことを思いだしますね。

編集部 Nさんはメンバー、サブリーダー、リーダー、アシスタントマネジャーをそれぞれ2年経験しマネジャーに着任しました。キャリアアップにおいて、どんなことに気をつけてきましたか?

N 入社からここまで、特別な工夫や努力はしてこなかったと思います。与えられた仕事をしっかりとやりきること。それと体調についての相談ですね。私は特に冬場(10月、11月、12月)に体調が悪くなるので、そのことを上司に相談し、業務量のコントロールをしてもらいました。また、自分がリーダーとして正しい判断ができているかを誰かに客観的に見てもらい、必ずフィードバックをもらうようにしていました。

体調不良の要因に先回りし、しんどさを回避

編集部 仕事をする上で、障害とはどんなふうに向き合っているのでしょうか。

N まず、障害と自分の能力は切り離して考えています。自分のやるべき仕事は、自分の能力を使って顧客や組織に貢献することです。障害を言い訳にせず、自分ができることをしっかりとやる。特例子会社での業務ではありますが、事業会社と同じようにビジネスを回しているんだという意識を持ち続けることが、とても大切であると感じています。

当然、コンディションが悪い時はパフォーマンスも落ちますが、コンディション不良になるウィークポイントを把握して、先回りして準備します。障害者雇用のプロフェッショナルとしてのはたらき方は、そういった自分のウィークポイントをどれだけカバーできるかにかかっていると思います。

編集部 マネジャーになってから、管理職として業務量や責任も増えたと思います。今も体調管理はうまくできていますか?

N マネジャー着任直後は、今まで見えなかった世界が広がり、やるべきタスクも激増しました。でも、上司から「マネジメントとは、他人の力を介して成果を上げることだ」と繰り返し教えていただいたことで、「すべて自分でやり切るのは無理だ、やっぱり自分にマネジャーは無理だった」と落ち込まずにやれています。今はリーダー、サブリーダーをはじめたくさんの人の手を借りながら、「しんどさ」を回避できていると思います。これには感謝の思いしかありません。

周囲の助けと信頼関係の中でステップアップ

編集部 Nさんの上長や同僚、後輩、部下は口をそろえて「Nさんは真面目で真摯で、一つひとつの仕事や悩み事に向き合う人です」と話します。ご自身ではマネジャーに抜擢された理由は何だと思いますか?

N いくつかあると思います。一つは、理解のある上司の元で経験を積めたことです。入社からアシスタントマネジャーまでの間に鍛えてくれた元上司、成長をしっかりと認めてくれた今の直属の上司。「障害があるから」という理由で私の育成を制限することなく、乗り越えるべき課題を与えてくれたことが大きいと思います。

二つ目は、伴走してくれる人がいること。私がメンバーとしてはたらいていた頃から定着支援をしてくださった方の存在は非常に大きいです。太い信頼関係は今でも続いていますが、忙しい中でも時間を割いて話を聞いてくださったからこそ、今の自分があると言っても過言ではありません。

編集部 いつでも相談できる相手がいる中で仕事の経験が積めたことが、キャリアアップにつながったのですね。

N 前職で培ったマネジメントスキルも評価されているとは思いますが、「障害」という自力ではどうにもできないことを、周囲の人が手助けしてくれたことは大きな要素だと思います。上司に認めてもらうこと、支援をしっかり受けること、そのためにこちらから自分の状態と「助けてほしい」という意思をしっかり示すこと。それが欠かせないと思います。

そもそもこの会社には「障害者にマネジャーを任せるのは不安」という考えがなく、パーソルチャレンジに入れてよかったと思います。

はたらく理由を明確にし理想の未来を描く

編集部 それでは最後に、障害者としてのキャリア形成に悩んでいる人へアドバイスをお願いします。

N 今仕事を探している人には、「どんな仕事をしたいか」だけでなく、「どんな理想を掲げている会社ではたらきたいのか」を大切にしてほしいと思います。その企業が大切にしていることは、企業理念やミッションステートメントを読めば分かります。入社後に壁にぶち当たったときに振り返るためにも、「ここではたらく理由」を明確にできる会社を選ぶべきかと思います。

障害がある中でキャリアアップを目指している人には、「3年後、5年後、10年後に自分がどうなっていたいのか」を描いてみることをおすすめします。そこから逆算すると、何を経験して学ぶべきかを洗い出すことができます。体調が優れないときは「今」にフォーカスしがちですが、少しだけ遠い未来を可視化できるようにしておけば、不調時のしんどさを乗り切る力にもなりますし、結果として目指すべきキャリアにも結びつくと思います。

Nさんは現在、マネジメント業務のほか、「精神発達障害者とはたらくためのマナー」を伝えるユニバーサルワーク研修の講師も務めています。彼を突き動かしているのは、「自分の体験が誰かの役に立てば」「障害に対する偏見が少しでもなくなり、活躍の場が広がれば」という思い。柔和な表情の下にのぞく強くて熱い信念は、多くの社員にも伝わっています。

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