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ともにはたらく環境づくり

パーソルチャレンジ ユニバーサルワーク研修【前半】

Interview

パーソルチャレンジ株式会社

障害とともにはたらく僕らの日常が、
社会に役立つコンテンツになる。【前半】

中嶋 隆
Profile

中嶋 隆

パーソルチャレンジ株式会社
エンプロイメント・イノベーション本部
企画推進部
採用・育成グループ

中津井 亨
Profile

中津井 亨

パーソルチャレンジ株式会社
エンプロイメント・イノベーション本部
企画推進部
採用・育成グループ チームリーダー

パーソルチャレンジが株式会社ミライロと共同開発した、精神・発達障害者とともにはたらくための研修プログラム「ユニバーサルワーク研修」。2018年のサービス開始以来、大手自動車メーカーや自治体などさまざまな団体や個人に向け、30回を超える研修を提供してきました。その特長ややりがい、今後の展開について、プロジェクトを発案した中嶋と講師を務める中津井が、前後半の2回にわたりご紹介します。

障害者研修はたくさんあっても、具体的な“生の声”を聞けるものがない。

中嶋 このプロジェクトを立ち上げる前の2017年頃から、社員の育成・支援担当として障害者雇用に関する企業間の勉強会に度々参加していました。そこで話し合う中で、「精神・発達障害がある社員への対応がむずかしい」という声をよく聞いたんです。ちょうど障害者雇用義務に精神・発達障害者が加わり、採用を検討する企業が増え始めていた頃でした。
一方、パーソルチャレンジは約400名(2021年4月時点)の精神・発達障害者がはたらいていますが、障害特性への理解やマネジメント体制がしっかりしているので、日々大きな問題もなく一緒にはたらくことができています。
つまり、精神・発達障害者の採用に及び腰になるのはそうしたノウハウや体制を持っていないから。それなら私たちの知見が役立つかもしれないと思ったのが、発案のきっかけです。世の中に障害者雇用関連の研修はたくさんありますが、具体的な事例や対応方法が聞けるものはほとんどなかったんですね。

中津井 多くの企業はまだまだ「障害者=難しいことやプレッシャーのかかることはできない」と認識していて、そのイメージは障害者と接した経験がないことから生じています。私も精神・発達障害の当事者として、就活中によくそれを感じていました。

中嶋 それでいろいろな研修を調べていくうちに、ミライロという会社が実施する「ユニバーサルマナー検定」に出会いました。ミライロさまは身体障害や高齢者などに関するカリキュラムが豊富ですが、精神・発達障害に関するものはなかったんです。
逆に私たちには精神・発達障害者の方とはたらくための知見があり、それを広める機会を探しているところでした。そこで「ユニバーサルマナー検定」のカリキュラムの一つとして、精神・発達障害をテーマにした研修を両社で共同開発することになりました。

※多様な方々に向き合うために必要な「マインド」と「アクション」を学び、身につけるための検定。

ワークを盛り込み、失敗例と成功例を同時に体験

中津井 「ユニバーサルワーク研修」は90分で構成され、前半で座学、後半でパーソルチャレンジの事例に基づくワークを行います。このワークが本研修の大きな特長で、知識やスキルを座学で学ぶのも重要ですが、それ以上に大事なことがあるんだということを実践的に伝えることを目的としています。大事なことはさまざまありますが、例えばコミュニケーションの取り方や、障害や症状にどう向き合うのか、といったことをお伝えしています。

中嶋 ワークの方法としては、パーソルチャレンジで日常的に発生する問題や相談を例に出し、受講者に実際に対応したり考えたりしてもらいます。例えば「Aさんがこんな相談をして、上司はこう返答したけど、結局Aさんは会社に来なくなってしまった。この対応の何がいけなかったのでしょう?」といった感じですね。
正解を教えるのではなく、実際にあった失敗例と成功例を両方提示しているのもポイントです。
どんな対応が相応しいかは人やケースによってさまざま。失敗をおそれずトライしないと成功例は生まれないということも、研修を通じて伝えたいことの一つです。

中津井 誰もが経験しそうな普遍的な事例を扱うので、参加者も自分の身に起こり得る問題として捉えやすいのだと思いますね。ディスカッションも毎回とても盛り上がります。

講師は当事者。初の挑戦に向け、1か月間猛特訓!

中嶋 研修のもう一つの特長は、講師役を中津井のように精神・発達障害の当事者が務めていることです。ミライロさまの研修がまさにそうで、例えば視覚障害のある方がパワーポイントのスライドを難なく使いこなしながら研修をします。それを最初に見た時はすごく驚きましたし、説得力の高さに「これしかない」と思いました。それで講師役としてすぐ頭に浮かんだのが、中津井ともう一人のメンバー。二人とも面談で「自分の障害や経験を誰かの役に立てたい」と語っていたからです。

中津井 そう考えている当事者は多いと思います。私もコミュニケーションを増やすことで、精神・発達障害に対する社会の理解を高めていきたいと強く思っていたので、打診されてすぐに承諾しました。ただ、研修に向けた練習が本当に大変で……正直つらかった(笑)。

中嶋 一か月間毎日、昼休みに集まって講師の特訓をしました。お金を頂いて提供する研修ですから、質の高い研修を実施するのは当たり前。ここは妥協せずにしっかり練習を重ねないと、と決意しました。実際かなりスパルタだったと思います(笑)。もちろん無理と言われたらすぐにストップするつもりでしたが、でも二人とも本当に粘り強かったですね。そんな心配も杞憂になるくらいでしたよ。

気になったときは自宅でも原稿を読むなど、練習を重ねたという中津井。緊張の初研修、その反響や手ごたえはどうだったのでしょうか……?

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