「職場で嫌われている気がする」「自分だけ理解されていないのでは」
発達障害のある方から、こうした不安を聞くことは珍しくありません。特に入社直後は、周囲と自分を比べて落ち込んだり、業務の覚え方に不安を抱いたりしやすい時期です。
パーソルグループの特例子会社であるパーソルダイバースでは、多くの精神・発達障害のある社員がはたらいています。本記事では、ジョブコーチとして社員を支える立場から、「発達障害 職場 嫌われる」「発達障害 理解されない」と悩む方が安心してはたらくためのヒントを紹介します。支援者の方にも役立つ内容です。
発達障害のある人が「職場で嫌われる」と感じやすい理由
発達障害のある方が職場で不安を抱えやすい背景には、いくつかの共通した傾向があります。
他人と比較してしまう特性
入社直後は、同期と同じ業務を学ぶ場面が多く、どうしても周囲との違いが目に入りやすい時期です。たとえば、次のような点で差を感じることがあります。
- タイピング速度
- Excelスキル
- 手順書の理解度
その結果、「自分だけ遅れているのではないか」「質問ばかりしていて迷惑をかけているかもしれない」と感じ、必要以上に落ち込んでしまうことがあります。
曖昧な指示や複雑な業務が苦手
発達障害の特性として、次のような点が苦手な場合があります。
- 抽象的な指示
- 状況判断が求められる業務が苦手
- 手順が複雑な作業が苦手
その結果、「仕事ができないと思われ、評価が下がるのでは」という不安につながりやすいのです。
過去の経験から“否定的な予測”をしやすい
以前の職場で誤解されたり、注意された経験があると、「また同じことが起きるかもしれない」と考えやすくなります。
このような考え方は、発達障害の特性というより、これまでの環境で積み重なった“心のクセ”のようなものです。
パーソルダイバースの取り組み:はたらきやすい職場をつくる2つの工夫

パーソルダイバースでは、精神・発達障害のある社員が安心してはたらけるよう、次の2つを徹底しています。
業務の標準化で「迷い」をなくす
発達障害のある方が業務でつまずきやすいポイントを減らすため、次のような取り組みを行っています。
- 業務の細分化
- 作業フローの可視化
- マニュアルの整備
これにより、「判断基準が曖昧で困る」「複雑な作業で混乱する」といった不安を最小限にできます。
標準化された環境は、発達障害のある人がはたらきやすい職場の重要な要素です。

合理的配慮を前提にした支援体制
- 配属部署の上司だけでなく、ジョブコーチを含む定着支援担当者が連携し、次のような支援を行います。
- 定期面談の実施
- 悩みの整理のサポート
- 勤怠の安定に関するサポート
- 必要に応じた社内調整
「発達障害」「職場」「合理的配慮」として求められる取り組みについて、状況に応じて次のような支援を柔軟に行っています。
- 質問しやすい環境づくり
- 作業量の調整
- 情報の可視化
入社直後に多い悩み:「他人と比べてしまう」

OJT期間中、次のような相談がよくあります。
- タイピングが遅くて焦る
- Excelが苦手で迷惑をかけている気がする
- 手順書が理解できず、質問ばかりしてしまう
発達障害のある方は、 “できていない部分”に意識が向きやすい という傾向があります。
その結果、「このままはたらけるのだろうか」と不安が膨らみ、メンタルが不安定になることもあります。
不安を軽くする支援:まずは“悩みを受け止める”
相談に来た社員に対して、ジョブコーチが最初に行うのは、 悩みを否定せず、しっかり受け止めることです。
たとえば、「タイピングが遅いんですね。それは気になりますよね」「手順書が難しいと、何度も確認したくなりますよね」といった具合に、まずは共感を示します。
いきなり「比べても仕方ないですよ」「あなたにはあなたの良さがあります」とは言いません。
人は誰でも他人と比べてしまうものです。特に発達障害のある方は、自己肯定感が下がりやすいため、まずは気持ちを受け止めることが重要な第一歩です。
次に、本人に「強みに気づいてもらう」コミュニケーションが大切になります。
悩みを受け止めたうえで、その人の強みに目を向けてもらうことです。
例: タイピングは遅いけれど、コミュニケーションが得意な社員には、「確かにタイピングは練習が必要かもしれません。でも、あなたは接客経験があって、人との接し方がとても上手です。質問のタイミングや表情の作り方は誰よりも優れていますよ」と伝えます。
自分の強みに気づくことで、次のような良い循環が生まれます。
- 自信が戻る
- やりがいを感じる
- 職場定着につながる
発達障害のある人がはたらきやすい職場とは
はたらきやすい職場には、次の3つが欠かせません。
- 強みを活かせる業務設計
得意な作業を中心に担当できると、成功体験が増えます。 - 弱みを補い合えるチーム
苦手な部分を責めるのではなく、チームでフォローし合える文化が重要です。 - 合理的配慮が“当たり前”にある
特別扱いではなく、誰にとってもはたらきやすい環境づくりの一環として捉えることが大切です。

まとめ|嫌われる不安を減らし、安心してはたらける未来へ

発達障害のある方が「職場で嫌われる」「理解されない」と感じてしまう背景には、次のような要因が影響しています。
- 他人との比較
- 曖昧な指示への不安
- 過去の経験による自己否定
その不安を軽くするためには、 悩みを受け止め、強みに目を向けてもらう支援 がとても効果的です。
パーソルダイバースでは、これからも障害のある社員が安心してはたらき、成長できる環境づくりに取り組んでいきます。


