
特例子会社の仕事は、定例反復業務だけではありません
書類の封入・封函、郵便物の仕分け、オフィスの清掃。特例子会社の仕事としてよく挙がるこれらは「定例反復業務」と呼ばれます。障害者雇用の業務切り出し事例を探すと、まずこうした業務が並ぶでしょう。
しかし、パーソルダイバースの特徴は、定例反復業務に当てはまらない仕事も受託している点です。その一つが、グループ個社が運営する求人メディアの求人原稿制作業務や、求人原稿の審査・校閲業務です。文章制作に正解はなく、個々の判断を伴います。内容もボリュームもクライアントの採用ニーズに合わせて都度変わる、定例反復業務とは言えない仕事です。
業務切り出しの具体例

最初の一歩は、定型業務からで構いません。障害者雇用の業務切り出し事例として多くの企業で採用されている業務を、部門別に整理しました。
- 事務:データ入力、書類のスキャニングとファイリング、備品の棚卸しと発注補助、郵便物の仕分け、大量発送の封入・宛名貼り
- 製造・物流:外観検査、ピッキング、仕分け、パッキング、ラベル貼り、箱の組み立て
- IT関連:PCやソフトウェアのセットアップ補助、システム運用に関するデータ管理
- 飲食・小売:開店閉店準備、テーブルセッティング、納品検品、品出し、店頭の清掃
いずれも新しく仕事をつくったのではなく、既存社員がコア業務を中断して行っていた作業を、業務分解によって救い出したものです。切り出しは現場の残業削減につながるケースもあります。
業務分解と業務設計で、判断を伴う仕事も任せられる

他社の特例子会社の事例を並べるだけでは、自社には移せません。着目したいのは、どう分解したかという手順です。
パーソルダイバースの求人原稿制作業務も、制作の手順に合わせて細かく切り出しています。文章を作成する、企業に電話する、企業所在地の地図情報を取得する。このように業務分解を行い、障害種別を問わず、それぞれの業務を得意とする人が担当しています。
工夫もあります。企業情報や条件(未経験歓迎など)を入力すると自動でキーワードを表示するツールがあり、それを参考に文章を作成できます。判断を伴う仕事でも、工程単位まで業務設計を見直せば担い手が見えてくる可能性があります。
切り出しを支える、マネジメントの工夫
業務設計を整えただけでは、仕事は回りません。現場を束ねるリーダーは、こう話してくれました。
「個人の物の見方や価値観を否定することはせずに、まずは個々のスキルに合わせた仕事をお願いしています。そこからスタートし、徐々に自信をつけてもらうようにしています」
具体的なマネジメント上の工夫は、次の4つです。
- タスク表を作ってリーダーと共有する
- 一人で仕事を任せるのではなく、慣れたメンバーとペアで仕事を進める
- 仕事ができたら、しっかり褒める
- 自信がなさそうな様子が見られるときは、声をかける(特にここに力を入れています)
「どうやったらできるか」が、職域を広げる
この業務の受託は、特例子会社にとってもチャレンジングな挑戦でした。しかしその結果、「シングルタスクしかできないと言っていたメンバーが、1年後に複数の業務をバリバリこなすようになった」「成長意欲が高まり、他者と積極的にコミュニケーションを取るようになった」といった変化が生まれています。
もちろん、全員が劇的な成長を遂げたわけではありません。それでもパーソルダイバースには「この仕事は無理だと考える前に、どうやったらできるかを考えよう」という姿勢が浸透しました。そうした姿勢で他の仕事にも挑戦した結果、今では100を超える業務を受託しています。
障害者雇用の業務切り出し事例は、業務分解と業務設計を重ねるほど広がっていきます。今後もこうしたパーソルダイバースの挑戦を、みなさんに紹介できればと思っています。

