現在、広報部員としてはたらいている私・品川のジョブコーチ。インタビューなどで、重度の身体障害がある社員の話を聞く機会が何度かあり、その話がとても印象的だったので、感想とともにお伝えしたいと思います。
「自分が納得できる人生を送るために自分自身を諦めない」
現在パーソルダイバースでは、3年間で120名の計画で、「フル在宅時短勤務」の募集を行っています。重い障害などで、はたらきたくても通勤は難しい、通院が必要だから8時間勤務は無理、住んでいるエリアで希望する仕事が見つからない……。そういった、はたらくことに制約が必要な方たちに向けたパソコンを使った事務業務の募集を行っています。
先日、古郡さんという関東近郊に住む女性のインタビューをしました(詳細は下記)
突然の脊髄損傷で下半身不随に。フルリモートで見つけた「はたらくやりがい」
彼女の話を聞いて印象的だったのが、「自分が納得できる人生を送るために自分自身を諦めない」。という言葉でした。下半身が動かない古郡さんは、上半身が動きます。毎日2時間、竹刀の素振りなどで体力を維持するリハビリを行い、「家事でも仕事でも、これからできることを増やしたい」と前向きな姿勢を見せる古郡さんの姿に、逆にこちらが励まされたような気持ちになりました。
「自分の世界はこの家とテレビの情報がほとんどです」
パーソルダイバース広報部にもフル在宅時短勤務ではたらく、私の仲間がいます。
高知県に住む、上田健人君です。彼の記事も以前、withで紹介したことがあります。
「仕事を通じて自分の価値を高めたい」~重度障害に向き合う社員による学生向け講演会~
先日、パソコンのセットアップや体調やキャリアについて面談を行うため、初めて上田君の自宅を訪れました。高知空港から車で約2時間。四万十川の河口付近で山の緑と川の青、大きく広い青空、色のコントラストが見事な雄大な景色が印象的な土地に上田君は住んでいました。すぐそばを小川が流れる上田君の家は、とても静かで柔らかい日の光が入る、心地よい家でした。訪れたのは昼食時。台所のそばに、ベッドとテレビ、それに在宅勤務を行うためのパソコンがテーブルの上に置いてありました。四肢麻痺の上田君はわずかに動く左手を使って、マウスや音声でパソコン入力をして業務に当たっています。
「それでも仕事を通じて、自分の世界と人生が広がっている」
食後、これからの上田君のキャリアパスや普段の生活、悩み事について話したとき、とても身が引き締まる思いがしました。休みの日、何をしているかと聞いたときでした。「ほとんど外出はしません。ほぼ家にいます」という答え。家のそばに流れる小川は、特にフェンスやガードレールはありません。電動の車いすで移動する上田君にとっては、移動自体危険を伴うものです。
「僕の世界はこの家とテレビで見るものがほとんどです」という話をしてくれた後に、「でも、仕事を通じて自分の世界と人生が広がっています」と笑顔を見せてくれました。上田君は日常業務のほかに、年に数回オンラインや対面で、自分の体験をもとに講演活動を行っています。
体は家の中だけれど、ネットワークを通じて東京の我々と仕事をしている。多くの人に情報を届けて、情報を受けた人の考えや行動に影響を与えている。
「フル在宅勤務」は単に「家で仕事をすること」ではなくて、仕事を通じて自分の行動範囲を広げることにも繋がっていること。仕事を提供する、ということは、単純に仕事をやってもらうことだけでなく、その人の人生に広がりや生きがいを提供するということを強く実感した次第です。
パーソルダイバースができることは限られているかもしれません。それでも仕事を通じて「何か」を提供できるとは思っています。その「何か」を見つけたい方、私たちの仲間になって、一緒にはたらきましょう!