地域連携を強みにはたらく機会や仕組みを生み出し、障害者雇用の実績と信頼を着々と積み重ねている特例子会社パーソルダイバース。今回はそこで支援員としてはたらく「人」に焦点を当て、支援を通じてそれぞれが得た視点や考え方についてお話します。

松田 あさ美

パーソルダイバース株式会社
サポート本部 人事部 人財支援室

自分の障害を受け入れた人が活躍できる場をつくりたい

パーソルダイバースの支援員になる前は、はたらくことに困難を抱える若者向けの支援団体に勤めていました。「就職しても続かない」「ずっとニートだったけどそろそろ自立したい」など、いろんな事情を抱えた方々の相談に乗っていましたね。障害者手帳を取得して、就労場所を見つけるまでをサポートし、次のステージへ進む姿を見送る。そんな仕事を続けるうちに、見送るだけでなくはたらくことを直接支援したいと考えるようになったんです。

障害者手帳を取得するって、想像以上に覚悟がいることです。その覚悟とともに自分の障害を受け入れた人たちにとって、もっとはたらきやすい職場が増えるといい。当時は漠然と、そんなことを考えていました。

環境を変える・自分が変わるそのバランスこそが大事

パーソルダイバースに来たのは4年前。今は社員の定着支援を行う「人財支援室」に所属して、障害のある社員や指導スタッフがどうしたらはたらきやすくなるのか、環境と個人の両面から考えています。
このアプローチのバランスは、パーソルダイバースに来てからずっと考え続けていることです。それまでやっていた福祉支援では、本人が変わるよりも環境を変えるためのアプローチがメインでした。でも実際に社会に出て企業に属すと、環境へのアプローチには限界があるとすぐにわかります。組織は一人のためにあるわけじゃないので、本人が自分を理解して変わろうとする部分もないと成り立たない。ずっと福祉をやってきた私にとって、これは大きな見方の変化でした。

業務においても、社員さんが“自分から変わろう・変わりたい”という姿勢を見せたとき、私も一番やりがいを感じます。例えば、指導スタッフから注意されることにネガティブな感情ばかり抱いていた社員さんがいたのですが、ある時「自分の悪いところを直したいから指摘してほしい」と聞いてきたのです。注意されることに反発するのではなく、注意されないように自分が変わろうと思い始めている。些細なことかもしれせんが、そんな気持ちの変化がうれしかったですね。

誰かの成長を他の誰かのはたらくヒントに

パーソルダイバースは、日々誰かのレベルアップが感じられる場所です。そして成長する人たちと関わることで、私自身も大きくなっている気がします。人の支援をする立場ですが、私はもともと怠け者な性格。こういう環境に身を置いているのが、性に合っているのかもしれません(笑)。

誰かの成長や経験は、他の人への励ましやヒントになります。その相乗効果がもっと生まれる仕組みを、社内でも確立していきたいですね。ある拠点で効果的だった支援事例を、別の拠点の問題解決に役立てたり、同じ障害の方同士で集まって、「あるある話」や工夫をシェアし合ったり……。会社の規模が大きくなると、横のつながりが薄れて隣の人が何をやっているのかすら知らない状態になりがちです。でも、“仲間の顔が見えること”こそ、パーソルダイバースの良さ。経験や工夫をシェアできるネットワークを作り、人財支援室がそのハブになっていけたらと思っています。