パーソルグループの特例子会社であるパーソルダイバースでは、1,000名以上の障害のある社員が活躍しています。グループから受託した事務系業務や、農業を中心とした地域連携事業など、さまざまなフィールドで力を発揮しています。
今回は、パーソルダイバースで障害のある社員を支援する立場として職場環境づくりに取り組む松田あさ美さんに、支援者の立場から見た職場環境の特徴や、支援に対する考え方についてお話を伺いました。

※本記事は2022年9月に実施したインタビューをもとに執筆しています。

パーソルダイバース株式会社

受託サービス統括本部 受託サービス企画推進本部
人財開発部 人財開発グループ 定着支援第3チーム
松田 あさ美

障害を受け入れ、はたらき続けられる職場づくりを目指して

パーソルダイバースの支援員になる前、私は「はたらくこと」に困難を抱える若者向けの支援団体ではたらいていました。
「就職しても続かない」「長年ニート状態だったけど、そろそろ自立したい」など、さまざまな事情を抱えた方々の相談に乗り、障害者手帳を取得し、就労先を見つけるまでをサポートしていました。
サポートを続ける中で、「ただ送り出すだけではなく、はたらく現場を直接支援したい」という思いが強くなっていったのです。

障害者手帳を取得するという決断は、想像以上に大きな覚悟が必要です。
その覚悟を持ち、自分の障害を受け入れた人が「はたらきやすい職場」で活躍できるよう支援したい——そんな思いが私の原点です。
「はたらく」を直接支援する場を探している中で出会ったのが、パーソルダイバースでした。

支援員としての役割:環境を整え、自分が変わること

2019年にパーソルダイバースに入社してから、障害のある社員や指導スタッフが安心してはたらける環境づくりに取り組む部署に所属しました。
これまでの福祉支援では主に「環境を変える」ことに焦点を当ててきましたが、企業という現場では、環境だけでは解決できない課題が多いと痛感しました。
企業は一人のために存在しているわけではないため、組織としてのあり方も大切です。だからこそ「環境を整える」ことと「自分が変わる」こと、両方のバランスを大事にしています。

支援員としての役割は、社員が自分を理解し、前向きに変わっていけるようサポートすること。環境だけでなく、自分自身を受け入れ、成長を目指す姿勢を応援したいと思っています。

支援員としてのやりがい:社員の“変わりたい”気持ちに触れる

支援の中で一番やりがいを感じるのは、社員自身が「変わりたい」と前向きな姿勢を見せてくれた瞬間です。
ある社員が、指導スタッフから注意を受けるたびにネガティブに感じていましたが、ある日こう言ったのです。
「自分の悪いところを直したいから、もっと指摘してほしい」と。
反発していた気持ちが、「自分を成長させたい」という意志に変わった瞬間でした。
些細な変化かもしれませんが、その一歩一歩が支援員としてのやりがいにつながっています。

誰かの成長が、誰かのヒントになる職場づくり

パーソルダイバースでは、社員一人ひとりの成長が他の社員の励みやヒントになるような職場づくりを目指しています。
例えば、ある拠点で効果的だった支援事例を、他の拠点でも共有する仕組みを整えることや、同じ障害を持つ社員同士が「あるある話」や工夫をシェアできる場づくりなど、相乗効果を生むネットワークが大切です。

社内が大きくなると、どうしても横のつながりが薄れてしまいがちですが、“仲間の顔が見える”環境こそがパーソルダイバースの強みです。
私たち支援員がハブとなって、成長や経験を共有できる仕組みを作っていきたいと考えています。

支援員としての使命とこれからの展望

支援員としての使命は、社員が自分の障害を受け入れつつ、はたらき続ける力を育てることです。
誰かの成長が他の誰かのヒントになり、支援が支援を生む連鎖が広がる職場をつくっていきたいと思っています。
これからも「変わりたい」という気持ちを支え、はたらきやすさを追求する支援員であり続けたいです。