
パーソルグループの特例子会社、パーソルダイバース株式会社では、障害がある社員の1年後の定着率は、90%を超える高い数字を維持しています。社員が長く安定して定着している理由の一つに、障害手帳を持った社員を支える組織「定着支援チーム」があります。同チームで活躍する社員のインタビューを通じて、高い定着率の秘密をお伝えします。
また、定着支援の仕事内容については、別記事に詳細がありますので、ご覧ください。

パーソルダイバース株式会社
受託サービス統括本部 受託サービス企画推進本部
人財開発部 人財開発グループ 定着支援第1チーム
土屋 晴香
特別支援学級の教員時代に考えた「児童たちの将来」

編集部:新卒で教員をしていたそうですね。障害がある児童との関わりなどがあったのでしょうか?
土屋さん:新卒で大学卒業後4年間教員をしていました。教員になる前、特別支援学級で教育実習があり、そのときに漠然と興味を持ちました。目の前の子供たちは、ある見方からすると、それぞれ特性や症状、課題があるけれど、別の角度から見ればとても素直でキラキラ輝いています。適切な支援があれば輝ける子供たちは、社会に出たらどうなるのだろう、という関心がありました。
その後、実際に教員になり、縁あって特別支援学級の担任になることができました。改めて児童と触れる日々に、実習で感じた思いは大きくなりました。小学校を出て中学・高校、そして社会人になる中で、みんなはどんな人生を送るのだろうか、と。学校にいると、なかなか一般社会の話は入ってこないですし、異動などもあるのでずっと特別支援学級に関わり続けるとも限りません。障害がある方を支え続けるというか、障害があってもやりがいをもって生きることを支えるというか、そういうことがしたくて転職を決意しました。
手帳を持った社員が評価され、やりがいを持って輝ける手伝いがしたかった

編集部:その後にパーソルダイバースに入社したのでしょうか?
土屋さん:教員のあと、当社と同じように障害がある人を支援する会社に入社しました。そこは、各企業ではたらく障害がある社員の就労支援をする会社でした。やりがいがありましたが、職場に訪問してフォローする形がメインで、もっと日常的に支援をしたいと思い転職活動をする中で、当社に入社を決めました。
私が考える支援と当社が考える支援の在り方が近かったのが入社の決め手です。それは、障害手帳を持った当事者社員がそれぞれ抱いている”はたらく事の価値”を大切にしながら自己実現に向けた一歩を踏み出せるような支援をしていきたい、ということでした。
一人ひとりにとってはたらきやすい環境を整えるのではなくて、会社が求めるパフォーマンスを発揮できるためのお手伝いというのでしょうか。「会社に入って頑張って評価してもらう。評価がやりがいに繋がり、将来が見えてくる。そうしたら、一人ひとりの価値が高まって輝いていく」そんなストーリーのお手伝いをしたくて入社しました。
自分の価値と自己肯定感を高めてほしいです

編集部:土屋さんが定着支援の仕事をするうえで、心がけていることを教えてください。
土屋さん:支援する社員との対話も当然大事にすることと同じくらい、現場の上長とのコミュニケーションを重要視しています。会社や上長が社員に何を求めているのか。何をすれば評価されるのか。そのために、いま本人は何をするべきか。本人のために私たちはどんな支援をするべきなのか。そこを大切にしています。
決して冷たい意味ではないのですが、会社に入った以上というか、給料をいただく以上は、会社からの評価を高める必要があると思います。評価されると自己肯定感も上がるし、場合によってはしっかりと給与に反映されることもあります。 せっかく入った会社だから、自分の力を発揮したり、ここで頑張りたいと思えたり、また明日も会社に行きたいな、というポジティブな気持ちを持てるような支援をしたいと思っています。
仕事を通じてみなさんの価値・目的を達成する努力が人生を豊かにする

編集部:そのほかで土屋さんが社員の長期就労実現のために心がけていることを教えてください。
土屋さん:私たち定着支援の人間も、心に余裕を持って仕事をしないといけないと思っています。自分たちが不安や悩みを抱えていたら、当事者社員も安心して相談できないと思うんです。ですから、定着支援同士で励ましあい、しっかりと支援について相談することは欠かせないと思っています。また、大事なのは会社や上長の意向と本人の希望や考えていることの橋渡し役をすること。私自身の価値観を押し付けるのではなく、きちんと聞くこと。真正面から課題と向き合うことを心がけています。
編集部:ありがとうございます。改めて支援する立場から、障害がある人が当社に入るメリット、もしくはメッセージがあればお願いします。
土屋さん:仕事に求める価値・目的は人それぞれ違うと思います。収入、やりがい、社会貢献、規則正しい生活、そもそも社会と関わるということ・・・など。仕事を通じて、みなさんの求める価値・目的を達成すること、また達成のために努力する事で、人生が豊かになると私は思っています。そのためのお手伝いは精一杯やります。定着支援チームのメンバーは、みんなそんな思いです。はたらくこと、社会に出ることは勇気が必要かもしれません。ぜひ、当社でその一歩を踏み出してみませんか。