
「人と比較しないこと」「過去の成功や失敗にとらわれないこと」。そんなメッセージが、多くの社員の心に響きました。パーソルキャリアの吉永健太朗さんは、2011年夏の甲子園優勝投手として、全国高校野球の頂点に立ちながらも、以降は大学時代の不振や社会人野球で大けがを負い、現役引退という大きな挫折を経験しています。今回、吉永さんがパーソルダイバースの社員向けオンライン講演に登壇。自身の経験をもとに、困難との向き合い方やキャリアの考え方について語りました。
栄光の裏側にあった「不安」と「挫折」

2026年9月、パーソルキャリアでスポーツビジネス推進に携わる吉永さんが、パーソルダイバースの社内イベント「栄光と挫折を越えて、次の一歩へ。」と題して講演を行いました。参加登録者は100名を超え、多くの社員が耳を傾けました。
高校時代、日大三高のエースとして2011年夏の甲子園優勝に貢献した吉永さん。多くの人がその輝かしい実績に注目しますが、講演ではむしろ「うまくいかなかった経験」に多くの時間が割かれました。
大学では1年生から活躍し、日本一やMVPを経験する一方、その後はフォームを崩し、結果が出ない日々を送りました。さらに社会人野球では肩の大けがに見舞われ、長期間のリハビリ生活を経験。野球人生の終わりを意識せざるを得ないほどの苦しい時期だったと振り返りました。
「栄光を経験した人だから順風満帆だったのではなく、見えないところで多くの壁にぶつかっていた」。そんなリアルな体験談は、参加者から大きな共感を集めました。
挫折から立ち上がるために必要だったもの

講演の中で特に反響が大きかったのが、「挫折からどう立ち直ったのか」というテーマでした。「立ち直るために何が必要だったか」という事前質問に対し、吉永さんは、「自分の心の安定が一番大事だった」と語っています。体力をつけること、疲労をためないこと、リフレッシュすること。まずは心身の状態を整え、自分が安心して過ごせる環境をつくることを意識したそうです。
また、気持ちを切り替える方法についても、「精神論より先に環境を整えること」を重視していると話しました。不安や悩みを抱えたままでは前に進みにくいため、自分の心が落ち着く環境づくりを意識しているといいます。
障害のある社員の中には、仕事や体調、人間関係、将来のキャリアについて悩みを抱えている方も少なくありません。だからこそ、トップアスリートの経験談を単なる成功物語としてではなく、「困難に直面したときの実践的な考え方」として受け止める参加者が多かったようです。
キャリアは一度で決まらない

現役引退後のキャリアについての話も、参加者にとって大きな学びとなりました。
野球一筋だった吉永さんにとって、引退直後は何をすればよいかわからない時期があったといいます。しかし、「何かに挑戦する機会は持ち続けたい」と考え、引退からわずか2カ月後にはハーフマラソンに挑戦。その後、周囲からの言葉や支えを受けながら新しいキャリアを模索し、現在はパーソルキャリアでスポーツ領域の事業に携わっています。またYouTubeなどで自身の経験を積極発信するなども活動も行っています。
講演の終盤では、「キャリアは一度で決まるものではない。失敗しても何度でも挑戦できる」というメッセージが語られました。また、「人と比較しない」「自分自身との対話を大切にする」「過去の成功や失敗にとらわれず、今のベストを尽くす」といった言葉も参加者の印象に強く残ったようです。
キャリア形成において、自分らしいはたらき方や将来像を模索する社員にとって、非常に示唆に富む内容となりました。
「今の自分と向き合う」きっかけに

講演後のアンケートでは、「人と比較しないという考え方を取り入れたい」「今の自分と向き合う時間をつくろうと思った」「挫折を経験したからこそ言葉に重みがあった」など、多くの感想が寄せられました。満足度は5点満点中4.7点を記録し、参加者にとって学びの多い講演となったようです。
甲子園優勝という誰もが憧れる栄光。そして、その先にあった挫折や迷い。その両方を経験した吉永さんだからこそ伝えられる言葉は、障害の有無を問わず、自分らしいキャリアを歩もうとする私たちの背中を押してくれるものでした。
「過去ではなく、今の自分にできる最善を考える」。そうした一歩一歩の積み重ねが、未来につながっていくのかもしれません。

