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社員の悩みや課題に向き合う「田町のジョブコーチ」が、障害者雇用の日常やちょっと役立つノウハウを紹介する当コラム。今回は、多くの人が経験しているだろうブルーマンデー、つまり「月曜日の不安・憂鬱」についてです。

気分だけでなく、体調に影響が出ることも

突然ですが、「ブルーマンデー(症候群)」という言葉をご存知ですか?会社員のみなさんなら週末に一度は経験したことがある、月曜からの出社を考えてだんだん憂鬱になってしまう、あれです。

精神障害の社員が多い当社の場合、この「ブルーマンデー」に悩む社員が多いと言いますか、その度合いが深刻と言いますか……。月曜の欠勤・遅刻が、通常より増える傾向にあります。

ブルーマンデーの症状はさまざま。単純に「仕事に行きたくない!」だけではなく、
「月曜日からのことを考えると、目が冴えて眠れない」
「やっと眠っても中途覚醒を繰り返して、睡眠不足で朝起きられない」
「満員の通勤電車を考えると体が動かない」
「仕事のことを考えすぎて自律神経が乱れ、発熱して出勤できない」
という社員もいます。

「何から手を付ければいいのか……」が原因の一つ

こうした症状は、特に発達障害の方に多く見られます。
彼らの特性に「やるべきことの優先順位をつけるのが苦手」というものがあり、「月曜日、何から手をつけてよいか分からない」となってしまうのです。

具体的にどんな状態になるのか、ある発達障害の社員に聞きました。すると「頭の中にやるべきことがぐるぐるしている。どのタスクも最重要だし最優先。それが出口に向かって一斉に押し合いへし合いしている状態」とのこと。

……確かにそんな状態なら、何からやればよいかわからなくなってしまうでしょう。

やるべきことや不安を「見える化」しよう

優先順位をつけるのが苦手な社員に対して、私たちがアドバイスしていることがあります。それは、まず「やるべきこと」と「その納期」を紙に書き出すこと。

実際にそれを実践して、「紙に書いたことでぐるぐるしていた動きが止まって、何からやればいいか順番が付けられるようになった」とホッとした表情を見せる社員がいました。

また、週末に不安にならないために、「翌週の時間割を作る」という作業を一緒に行うこともあります。毎週木曜か金曜の決まった時間までに「今週やったこと」「今週やったことの中のトピックス」「来週やること」「いま不安に感じること」をA4用紙に箇条書きしてもらい、それを持って一対一の面談を実施。翌週やることを一緒に確認し、最後はそれをアウトルックの予定表に入れるようにアドバイスします。

その結果、「土日も不安なく過ごせるようになった」と話す社員が何人か出てきました。毎週決まった時間にMTGがあるということ自体も、安心感になったようです。
こうした取り組みによって、月曜の勤怠がほんの少しではありますが、安定傾向になってきました。

長期休みのあとにもご用心!

ちなみにこのブルーマンデー(症候群)は、月曜だけに限らず夏季休暇やお正月明けにもみられる症状です。

当社には「長期の休み明けは調子を崩す説」があり、休み明けは「相談面談が多いかもしれないな」と少し構えて出社します。新しい週、新しい季節、新しい年。「今までとは違う何かが始まりそうだけど、自分にはできないかも……」なんて不安な気持ちに陥る人が多いのです。

長期休暇に入る前には、休み明けにやることを、あらかじめ整理しておくことがおすすめです。
「出勤したら、まずこれからやればいいんだ」
そんな状態を作っておくと、新しいスタートがスムーズに切れるかもしれません。

以上、田町のジョブコーチでした。