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社員の悩みや課題に向き合う「田町のジョブコーチ」が、障害者雇用の日常やちょっと役立つノウハウを紹介する当コラム。今回のテーマは、手帳を持った社員の「成長」をどうフォローするか。現在、開発中の研修内容にフォーカスしてご紹介します。

多様な人が集まるからこそ、研修が重要に

ここ数年、毎年3ケタのペースで社員が増加している当社。障害特性だけでなく、業務経験や前職の業界、ビジネス知識など、さまざまなバックボーンを持っている社員が入社します。多様な経験や知識を持つ人たちが同じ組織で長くはたらき、さらに成長を目指していくうえで重要となるのが、「入社後の研修」です。

例えば当社ではどんな研修をしているかというと、中途入社者に行う「初月研修」、サブリーダーやリーダー着任時に行う「着任研修」、またメンバーに適切な対応を行うためサブリーダーとリーダー対象に行う「ロールプレイング研修」など、その内容は多種多様。研修内容を開発する「研修企画チーム」と、円滑に運用するための「研修運用チーム」を設け、ダブルの体制で研修の充実化を計っています。

そしていま、増加・変化する組織や会社の方針に合わせ、当社では研修の大幅なリニューアルが進行中。その中で今年12月に新たに実行できそうなのが、今日お話しする「メンバー向け研修」です。

まずは「不調の原因を見つけ、対策する」ための研修から

「メンバー向け研修」は、メンバー一人ひとりが自身の価値を最大限に発揮し、仕事にやりがいを見つけてもらうことを目的とした研修です。現場のリーダー陣と研修企画チームが一緒になって、研修内容を練っています。

研修は下記の3つのカテゴリーに分かれ、それぞれ2つずつテーマを用意しています。

  1. 自分と向き合う
  2. 仕事と向き合う
  3. 仲間を増やす

まずは自分を知り、そして仕事に向き合って、そのうえで他者と一緒にはたらく、というのがこの研修のストーリーです。
「1.自分と向き合う」カテゴリーの1つ目のテーマは「体調の管理」。これがまさに完成間近で、12月から実施を予定しています。

自分自身をはたらける状態にするためには、自分と向き合うことが不可欠。ですから、特例子会社ではたらくためにまず必要なのが、この「体調の管理」になります。ただ、精神・発達障害のある方の中には、「自分の体調が悪くなる原因がはっきり分かっていない」とか、「分かっているつもりだけど、実は第三者が見ると原因は別にある」という場合も結構あります。まずは「自分の不調要因は何か」を突き止めることから始めよう。その突き止めるための「型」をお伝えしよう、というのがこの研修です。見つかった不調要因に対しては、どこに相談するのか、誰が対応するのか、それを上司や支援機関などと決めて正しい対応を考えていきます。

みんなでつくり上げるこの研修が、別の障害者雇用の現場にも役立つように

12月から一つずつ研修をリリースし、全部出来上がるのは来年の8月予定という壮大な計画です。いまはまさに、生みの苦しみを味わっている最中。受講する社員と、現場を預かる管理者と、研修を企画・運用するチームが一体となって、「精神・発達障害者にとっての研修スタンダード」を完成させるべく奮闘しています。出来上がったものから実行に移し、参加者から意見を聞いて、さらにブラッシュアップして、より良いものに磨いていく予定です。

まずは受講した社員が「とってもためになった!」「受けてみて楽しかった!」「みんなも受けた方がいいよ」と言ってくれることを目標に。さらに個人的には、この研修をいろんな企業や障害者雇用の現場に販売できればなぁ、と目論んでいるころです。“パーソルダイバース流研修”が障害者雇用における一つの物差しになれば、大きな社会貢献につながるのではないでしょうか。

この研修の話は、今後も随時お伝えしていきたいと思っています。楽しみにしていただけますと、とっても嬉しいです!