パーソルグループにはDEI(「Diversity(多様性)」「Equity(公平性)」「Inclusion(包括性)」)について考える「みんでぃ」という社内イベントがあります。
以前、私ジョブコーチが行った、精神、発達障害という多様な障害のある社員と、同じ組織・部署で「ともにはたらき、ともに笑う」ために、がおかげさまで好評でした。第2、3弾としてそれぞれ、「発達障害」や「統合失調症」がある社員とのコミュニケーションについて、当事者とともに話しました。

当事者の声から学ぶ、障害とともにはたらく、とは

本企画は、昨年実施した精神・発達障害のある社員によるトークイベントが好評だったことを受け、今回は“障害別”により具体的な体験を共有する場として実施したものです。グループ全体で障害者雇用への理解をさらに深めたいという声が多く寄せられ、開催に至りました。

登壇したのは、統合失調症の当事者である斉間さんと、発達障害(ADHD・ASD)の当事者である社員。いずれもパーソルグループの特例子会社・パーソルダイバースで活躍する森田さんです。

※斉間さん、森田さんともにwithのインタビューに登場しています。2人の詳細は以下をご覧ください。

基礎的な特性説明の後、ご本人からこれまでの歩み、はたらく中での工夫、そして安心できるコミュニケーションについて語っていただきました。質疑応答では多くの質問が寄せられ、「理解を実践につなげたい」という前向きな姿勢が会場全体に広がっていました。

統合失調症とともにはたらく

斉間さんは新卒で就職後まもなく、被害妄想や幻聴・幻視などの症状が現れ、統合失調症と診断されました。その後も就労を継続し、療養期間を経てグループ会社に入社。現在は人財開発部で、メンバーの就労定着に関する業務に就いています。

現在はほぼ寛解状態ですが、まれに幻聴が聞こえることもあるといいます。その際は「いったん客観的に考える」「“そんなことはない”と整理する」といったセルフコントロールを実践。さらに、定期通院を継続し、睡眠・食事・運動を大切にするなど、日々のコンディションを整えています。

職場の雰囲気が安心を支える

斉間さんが繰り返し語っていたのは、職場環境の重要性でした。
悪口や陰口が広がると、不安が強まりやすい。その一方で、誠実に仕事に向き合い、互いを尊重する雰囲気があれば、自然体ではたらくことができる。

苦手なのは、「なんで?」「普通は」といった詰問調の言葉だそうです。
特別な配慮よりも、良好な人間関係こそが安定につながる——その言葉は、統合失調症があっても安心してはたらける可能性を私たちに示してくれました。

発達障害とともにはたらく

森田さんは、業務ミスや体調不良が続いたことをきっかけに受診し、発達障害(ASD,ADHD)と診断。就労移行支援を経て入社し、現在は求人広告作成を担当するサブリーダーとして活躍しています。

パフォーマンスの波への工夫(ADHD特性)

集中力や体調に波があり、一定のパフォーマンスを維持することが難しいという課題に対し、Outlookとメモ帳でスケジュールとタスクを一元管理。業務量を“見える化”することで、自身の状態を客観的に把握し、無理のない計画を立てています。

曖昧さをなくす工夫(ASD特性)

森田さんは以前「たくさん作っておいて」という指示を受け、想定以上に作業してしまった経験もあるといいます。
以来、「具体的な数字でお願いします」「目安はいくつですか?」と自ら確認することを徹底。曖昧さをそのままにしないことが、現在の安定したパフォーマンスに繋がっているそうです。

安心できる問いかけ

森田さんも、「なんで」「普通は」という言葉に強い不安を感じると話しました。
一方で、「どうしたらやりやすいですか?」と問いかけてもらえると、混乱していた思考が整理されることがあるといいます。

また、「すぐに相談できなくても、相談の時間を決めてもらえるだけで安心できる」という言葉には、多くの参加者がうなずいていました。
発達障害があってもはたらくことはできる。その前提にあるのは、特性理解と具体的な対話です。

障害の有無関わらず、コミュニケーションで大切なことは

障害特性は異なりますが、2人の話には共通するメッセージがありました。

それは、「普通はこうする」を前提にしないコミュニケーションです。

  • 詰問しない
  • あいまいにしない
  • 相手のやりやすさを尋ねる
  • 相談の機会を共有する

これらは特別な対応ではなく、誰にとっても安心できる関わり方です。

質疑応答では、「どう配慮すればよいか」という視点にとどまらず、「どうすればより良く一緒にはたらけるか」という問いが多く寄せられました。理解を深めたいという意欲と、理解したことで前向きになれたという声が多く上がったのが印象的でした。